平家物語の「舞台」を巡る旅① ~一ノ谷合戦~

行ってきました!「平家物語~語りと弦で聴く~一ノ谷・壇ノ浦」(5月25~29日@座・高円寺1)の舞台となった場所を巡る旅。金子と野澤がぐるっとご案内します。

二人が待ち合わせたのは山陽新幹線の新神戸駅。神戸と言えば、大輪田泊に福原京、経ケ島、行きたい場所はたくさんあれど、2泊3日で一ノ谷から壇ノ浦まで巡るので、それらはまた別の機会に。

新神戸駅の近くに“大手の大将軍”源範頼が旗を立てた旗塚という地名が残っているようですが、通過~。このあたりは平家軍の生田森の城郭の東の端の近くです。

A 平家物語の「坂落」の舞台~鉢伏山山頂へ

さあ、目指すは平家物語の「坂落」の舞台。木曾義仲と源頼朝が源氏同士でもめている間に、平家は水島合戦、室山合戦で源氏方に勝利、寿永二年(1183)の末には、都まで馬なら1日で行ける、摂津国に戻っていました。

一の谷は北は山、南は海、口は(せば)くて奥広し。岸たかくして屏風をたてたるにことならず。北の山ぎはより南の海の遠浅まで、大石(たいせき)を重ねあげ、大木(おおぎ)をきって逆茂木(さかもぎ)にひき、深き所には大船(たいせん)どもをそばだてて、(かい)(だて)にかき、(じょう)(おもて)高矢倉(たかやぐら)には、一人(いちにん)当千(とうぜん)ときこゆる四国鎮西の兵者(つわもの)ども、甲冑弓箭を帯して、雲霞(うんか)の如くに()み居たり。矢倉の下には、鞍置馬ども十重(とえ)二十重(はたえ)にひったてたり。(略)高き所には赤旗おほくうちたてたれば、春風(はるかぜ)にふかれて天に(ひるがえ)るは、火炎(かえん)の燃えあがるにことならず。(巻九 樋口被討罰)

一の谷は北は山、南は海、入り口は狭くて奥は広い。岸は高くまるで屏風を立てたようだ。北の山の(きわ)から南の海の遠浅まで、大石を重ねあげ、大木をきってバリケードを作り、深い所には大船を数隻停泊させて垣楯〈楯を立て並べて垣にする〉のかわりとし、城の正面の高矢倉には、一人当千といううわさの四国鎮西の兵たちが、甲冑弓箭を身につけて、雲霞(うんか)のように居ならんでいる。矢倉の下には、多くの鞍置馬が十重(とえ)二十重(はたえ)にならんでいる。(略)高い場所に平家の赤旗をたくさん立てているので、春風にふかれて天に翻る様子は、まるで炎が燃えあがるようだ。

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平家は、生田森から一ノ谷まで東西に細長く延びる城郭を作って、源氏に勝って都に帰るぞと意気込んでいました。

須磨浦公園山上遊園地 東部展望台から東を見る。空模様は不穏。すすどき〈すばしっこい〉あいつが来るぞ!

上の写真では、右下に一の谷の城郭の木戸口があります。城郭が東の方に扇状に広がっていたということでしょうか。現在の景色に想像力を重ねると、たくさんの平家軍の赤い旗がゆれているのが見える!(かも)。

須磨浦公園山上遊園地展望台へ

鉢伏山の頂上付近にある展望台をめざして、山陽電車の須磨浦公園駅からロープ―ウエイに乗ります!

たしかに山が屏風のように迫っている。天然の要害です。この山があるので、背後からは攻めてこないと平家方の人々は油断したんだなあ。

ローブウエイを下りたら、カーレーダーという不思議な乗り物がありました。ゴトゴトゴトゴト‥‥。なんかさあ、カゴに詰め込まれて出荷される果物になった気分だねえ。

収穫してからちょっと時間が経っているけど(苦笑)。

気分は源義経

須磨浦公園山上遊園地の回転展望閣屋上展望台から麓を見渡すと、気分は源義経。

御曹司、城郭(じょうかく)はるかに見わたいておはしけるが、「馬ども落といてみむ」とて、鞍置馬を追ひおとす。或は足をうち折って、ころんで落つ。或は相違なく落ちてゆくもあり。鞍置馬三疋、越中前司が屋形のうへにおちついて、身ぶるひしてぞ立ったりける。御曹司これを見て、「馬どもはぬしぬしが心得ておとさうには損ずまじいぞ。くはおとせ。義経を手本にせよ」とて、まづ三十騎ばかり、まっさきかけて落とされけり。(巻九 坂落)

義経は平家の砦を高い所から見わたしていたが、「馬たちを下ろしてみよう」と言って、鞍置馬を追って下ろした。あるいは足を折って、ころげ落ちる。あるいは問題なく下りていく馬もいた。鞍置馬三匹が、越中前司盛俊の屋形の上手に着いて、身ぶるいして立っていた。義経はこれを見て、「馬たちは、乗り手が注意して下ろせば怪我はないようだ。では下りよう。わたしを手本にせよ」と言って、まず三十騎ほどが、まっさきかけて下りていった。

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こんな崖を馬で下りるなんて、信じられないよ。越中前司の屋形はどのあたり?

下りのローブウエイから撮影

山の中はこんな感じです。ここに源氏方の東国武士がいたのかと思うと、感慨深い。

金子、待ってくれ~

平敦盛の墓のとなりに

ロープウエイで山から下りて、平敦盛のお墓に詣でます。この近くの海岸で敦盛は討たれました。

敦盛君!またあとで来るから、ちょっと待っててねと言って、お墓の隣にある、その名も「敦盛そば」というお店でお昼ご飯。

これは敦盛そば

これは源平そば。白が源氏で、赤が平家。どちらもおいしゅうございました。

敦盛のお墓にもう一度挨拶をして、次の目的地の須磨寺に向かいます。

ロープ―ウエイの駅に貼られていたポスター

1日目のコース  今回はAの鉢伏山でおしまい。続きをおたのしみに。

①新神戸駅 ②阪神三宮駅 ③須磨浦公園駅 ④須磨寺駅 ⑤新開地駅 ⑥ジャンボフエリーターミナル

★★一ノ谷合戦を迫力の原文で楽しめるのはこの公演だけ!★★

座・高円寺提携公演 春の劇場06
「平家物語〜語りと弦で聴く〜一ノ谷・壇ノ浦」
2022年5月25日(水)~29日(日)

【会場】座・高円寺1
5月25日(水)19:00
5月26日(木)14:00★◆
5月27日(金)19:00
5月28日(土)14:00★◆
5月29日(日)14:00
★託児サービス◆ポストトーク:26日(金子、須川)/28日(金子、須川+特別ゲスト:波紋音奏者 永田砂知子)

【章段】坂落、敦盛最期、小宰相身投、那須与一、壇浦合戦、先帝身投(休憩含み約90分)

【出演】金子あい(語り芝居)/須川崇志(コントラバス・チェロ)

【チケット料金】全席指定一般=5,000円 /ペアチケット=9,000円(2名1組)/U20チケット=2,000円(art unit ai+のみ取扱。要当日身分証)
*未就学児の入場はご遠慮いただいております。

【チケット取扱・お問合せ】
◉art unit ai+ 090-1232-1363 (10:00~18:00)auaplus@gmail.com
チケット申込フォーム(24h受付) https://forms.gle/B2z1RnZNt64LQG2V6
◉座・高円寺チケットボックス (月曜定休)
03-3223-7300(10:00~18:00)/窓口(10:00~19:00) https://za-koenji.jp/(無休24H受付)

【無料関連イベント】「もっと楽しくなる!『平家物語』はじめて講座」各回共、同じ内容。
<会場>座・高円寺 阿波おどりホール
① 4月21日(木) 14:00〜15:00 終了 ② 5月6日(金) 14:00〜15:00 終了
<オンライン>(申し込み後にURLをお知らせします)
③4月21日(木) 20:00〜21:00 終了 ④ 5月6日(金) 20:00〜21:00 終了

公演詳細はhttps://aikaneko.com/6939/

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3 Responses to " 平家物語の「舞台」を巡る旅① ~一ノ谷合戦~ "

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