タイトルが「壇ノ浦合戦」に変わりました。これから今治駅に向かいます。
那須与一が見事に扇の的を射た屋島は通過しま~す。私たちが乗ったフエリーは夜の便ですが、art unit ai+の撮影担当、栢野さんは昼の便に乗りました。彼女がフエリーから撮った屋島の写真をご覧になって、屋島合戦を想像してみてください。平家はあわてて西に逃げていきました。私たちはこれから追いかけます。
しまなみ海道
その栢野さんと今治駅で合流し、車に乗せてもらいました。バスの時刻も調べたけど、やっぱりしまなみ海道は車が便利だなあ。
目的は潮流体験。迫力のある潮流に適した日にちと時間があるとのこと。13時の出航を待っていると、「おねえさんたち13時に乗るの?」と言いながら船長のおっちゃんがやってきました。その後ひとりで船を出し、しばらくして戻ってくると「ええ潮や~」。下見をしてきたらしい。高まる期待。
出航の時間が近づくと船長のおっちゃんが再び現れ、「乗っていいよ」と救命胴衣を渡してくれました。
滑るように出航する船。案内のアナウンスが流れ‥‥‥あれ、港に戻ってる?もう終わり?みんなでおっちゃん船長の方をうかがうけど、すまし顔。どうやら時間前に出航してしまったようです。13時になったので、ふたたび、出航!
壇ノ浦合戦と潮の流れ
なぜ、潮の流れが見たかったかというと、『平家物語』にこんなふうに書かれているからです。
さる程に源平の陣のあはひ、海のおもて三十余町をぞへだてたる。門司、赤間、壇の浦はたぎりて落つる潮なれば、源氏の舟は潮にむかうて心ならずおしおとさる。平家の舟は潮におうてぞ出できたる。(巻十一 壇浦合戦)
そうこうするうちに源平双方の陣の間隔は、海面330メートルぐらいあいていた。門司、赤間、壇の浦は海水が逆巻いて落ちるような潮の流れなので、源氏の舟は潮に向かって思いどおりに進まず押し戻される。平家の舟は潮の流れに押し出されるように出てくる。
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煮えたぎるような潮。これぞ、たぎりて落つる潮!
段になって落ちています!
このような潮の流れを熟知し、機敏に舟を操作する、水手《船頭》、梶取《船人》がいなければ、舟の戦さはできません。壇ノ浦合戦で徐々に劣勢になっていく平家。陸からも弓矢で狙う源氏。源氏が非戦闘員の水手梶取を殺害したために、平家の舟は操船不能におちいります。
さる程に、四国、鎮西の兵者ども、みな平家をそむいて源氏につく。今まで従ひついたりし者ども、君にむかって弓をひき、主に対して太刀をぬく。かの岸につかんとすれば、浪たかくしてかなひがたし。このみぎはに寄らんとすれば、敵矢さきをそろへて待ちかけたり。源平の国あらそひ、けふをかぎりとぞ見えたりける。源氏の兵ども、すでに平家の舟に乗り移りければ、水手梶取ども、射殺され、斬り殺されて、舟をなほすに及ばず、舟底に倒れふしにけり。(巻十一 遠矢、先帝身投)
そうするうちに、四国、九州の武士たちは、みんな平家を叛いて源氏に味方する。いままで従っていた者たちも、主君にむかって弓を引き、あるじに対して太刀を抜く。むこう岸に着こうとすると、浪がたかくて着けない。ちかくの岸に寄ろうとすると、敵が矢さきをそろえて待っている。源平の国争いは、今日で最後と見えた。(巻十一 遠矢)源氏の武士たちは、すでに平家の舟に乗り移ったので、水手梶取たちは、射殺され、斬り殺されて、舟の向きをなおすことができず、舟底に倒れ横たわった。(先帝身投)
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非戦闘員の水主梶取は殺さないという掟が、舟いくさにはありました。ところが、源義経はその掟を破って、水主梶取の殺害を命じたといいます。
これぞ海の幸
島々の間を船で駆けまわって頭の中はすっかり源平合戦モードでしたが、船が港にもどり、現実にもどると、お腹がすきました。
すべて地物。ご飯少なめでとお願いしましたが、お腹がいっぱいになりました。
その後、大山祇神社に移動します。
大山祇神社に奉納された甲冑や刀剣などが、宝物殿にはたくさん展示されています。義経、頼朝、義仲、平重盛!!奉納した人たちの名前をみて盛り上がる我らオタク。重盛が奉納した剣や舶来の水差しはとても上品でした。
いざ下関!
しまなみ海道を渡って新幹線の新尾道駅に到着。栢野さんと別れ、そこから新下関駅に行き、在来線に乗り換えて下関駅に行きます。「ふくがあふれる下関」とな。
次回は旅行記の最終回、門司、赤間の関を山と海から探訪します。
★★一ノ谷合戦を迫力の原文で楽しめるのはこの公演だけ!★★
座・高円寺提携公演 春の劇場06
「平家物語〜語りと弦で聴く〜一ノ谷・壇ノ浦」
2022年5月25日(水)~29日(日)
【会場】座・高円寺1
5月25日(水)19:00
5月26日(木)14:00★◆
5月27日(金)19:00
5月28日(土)14:00★◆
5月29日(日)14:00
★託児サービス◆ポストトーク:26日(金子、須川)/28日(金子、須川+特別ゲスト:波紋音奏者 永田砂知子)
【章段】坂落、敦盛最期、小宰相身投、那須与一、壇浦合戦、先帝身投(休憩含み約90分)
【出演】金子あい(語り芝居)/須川崇志(コントラバス・チェロ)
【チケット料金】全席指定一般=5,000円 /ペアチケット=9,000円(2名1組)/U20チケット=2,000円(art unit ai+のみ取扱。要当日身分証)
*未就学児の入場はご遠慮いただいております。
【チケット取扱・お問合せ】
◉art unit ai+ 090-1232-1363 (10:00~18:00)auaplus@gmail.com
チケット申込フォーム(24h受付) https://forms.gle/B2z1RnZNt64LQG2V6
◉座・高円寺チケットボックス (月曜定休)
03-3223-7300(10:00~18:00)/窓口(10:00~19:00) https://za-koenji.jp/(無休24H受付)
【無料関連イベント】「もっと楽しくなる!『平家物語』はじめて講座」各回共、同じ内容。
<会場>座・高円寺 阿波おどりホール① 4月21日(木) 14:00〜15:00 終了 ② 5月6日(金) 14:00〜15:00 終了
<オンライン>(申し込み後にURLをお知らせします)③4月21日(木) 20:00〜21:00 終了 ④ 5月6日(金) 20:00〜21:00 終了
公演詳細はhttps://aikaneko.com/6939/
[…] ▶これまでの、平家物語の「舞台」を巡る旅 ① ② ③ ④ […]