2021年10月に座・高円寺2で上演した、金子あいと須川崇志の“魂のセッション”! Arts for the Future!の助成を受けて、多くの方に平家物語を楽しんでいただきたいとYouTubeで公開いたしました!チャンネル登録もよろしくお願いします!
『平家物語』より、祇園精舎・奈良炎上・入道死去・抄三種の神器・千手前
4K+ハイレゾの高画質で舞台の迫力を丸ごと収録!
【ざっくりあらすじ】
平家に対する敵意をあからさまにする奈良の悪僧たち。平重衡を大将軍とする四万騎が派兵され、奈良が炎上する。威容を誇った興福寺の伽藍も東大寺の大仏も焼け落ち、おおぜいの人が死んだ。(「奈良炎上」)ただ一人、奈良を制圧したことを喜んだ平清盛は、その報いだろうか、高熱に苦しみ、頼朝の首を墓前にかけよ、それが供養だと遺言して死ぬ。(「入道死去」)平重衡は、一の谷の戦いで生け捕りにされ、頼朝のいる鎌倉に護送される。奈良を焼き打ちし、東大寺の大仏を滅ぼした罪を一身に背負うと決め、死を願う重衡は、千手前の慰めに心を開いてゆく。(「千手前」)
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【バッチリ分かる もっと詳しいあらすじ 】
▽治承4年(1180)高倉宮(以仁王)の挙兵が発火点となって、反平家の動きは急激に全国に広がっていった。
【奈良炎上】巻第五 「高倉宮(以仁王)の挙兵に同調し、以仁王を迎えに行った奈良の大衆(だいしゅ)は朝敵である、清盛はきっと奈良を攻めるにちがいない」という噂が立つやいなや、奈良の大衆が蜂起した。奈良の興福寺を氏寺とする藤原氏の摂政がとりなそうとするが、大衆は聞く耳を持たない。清盛は、騒動を鎮めるため武器を持つことを禁じて軍を派遣するが、大衆は捕らえた六十人あまりの首を切った。激怒した清盛はついに重衡(しげひら)を大将軍とし、四万騎を奈良に派兵する。平家軍は馬で駆け回り弓矢を使って戦い、大衆は徒歩で太刀・長刀・槍を持って抗戦する。大衆千余人が討たれた。夜戦になり、重衡は般若寺の門の前で「火を出せ」と命じる。あたりの民家に放たれた火は、たちまち東大寺や興福寺の広大な敷地に燃え広がり、東大寺の大仏も興福寺の伽藍も焼け落ちた。また東大寺大仏殿や興福寺の建物の二階に逃げ込んだ非戦闘員の人々三千五百人余りが焼け死んだ。その結末を聞いて清盛だけが喜び、後白河院や高倉上皇、建礼門院、摂政は深く嘆いた。
【入道死去】巻第六 奈良を焼き討ちして二ヶ月になるころ、清盛が高熱を出して倒れた。清盛が重病との噂を聞き、京中の人々は「ほら、見たことか」とささやきあう。奈良の大仏を焼いた報いというのだ。比叡山の千手井の水を運んできて体を冷やしても、水はすぐに湯になる。清盛の妻の二位尼は、馬頭牛頭の獄卒が、激しく燃えている火車を引いて地獄から清盛を迎えに来た夢をみた。清盛の行先は無間(むけん)地獄だという。ありったけの財宝を奉納して、神仏に祈るが効果はなく、治承五年(1181)閏二月、清盛は「あつち死」する。遺言は「供養はいらない、頼朝の首を墓にかけよ」というものだった。生前は大勢の人がつき従っていた清盛が、たったひとりで冥途に向かう。 ▽清盛の死の二年後、平家軍は倶梨迦羅峠で義仲軍に惨敗。平氏一門は、上京する木曾義仲を恐れて、安徳天皇と三種の神器とともに都落ちし、讃岐国屋島に拠点を置く。寿永三年(1184)二月、平家は摂津国一の谷で源氏軍に大敗、平氏一族の通盛、敦盛らが討たれ、重衡は生け捕りにされた。
【抄:三種の神器】巻十「首渡」「内裏女房」「請文」「戒文」より 一の谷の戦いで討たれた平氏の首が京中にさらされ、生け捕りにされた重衡は大路を引き回される。屋島にいる平家一門に、三種の神器を返せば、替わりに重衡を返すという院宣が届くが、一門の棟梁である宗盛は、知盛の意見も入れて、断りの請文(返事)を書く。重衡は命乞いと取られるような手紙を書いたことを恥ずかしく思い、平氏一門が拒否するのは当然のことだと思いながらも、心細かった。鎌倉にいる源頼朝が重衡を引き渡すよう、しきりに言うので、鎌倉に下ることになった。
【千手前】巻第十 鎌倉に着いた重衡は頼朝に会う。南都を炎上させたのは、清盛の考えか、それとも重衡の判断かと尋ねる頼朝に、重衡は予想外のことだったと答え、平家の運が尽きてしまったからには、すぐに首をはねてくれとだけ言って口を閉ざす。そのいさぎよい態度に、同席していた源氏方の人々はいたく感動する。頼朝は狩野介宗茂に重衡の身柄を預けた。狩野介は重衡のために湯殿を準備し、千手前に入浴の世話をさせる。夕刻、千手前が、琴と琵琶を持たせて部屋に入ってきた。狩野介も郎等たちと同席し、重衡に酒を勧める。千手前の朗詠を聴き、自身も琵琶を弾くうち、重衡の塞ぎこんでいた気持ちも慰められていく。重衡の朗詠と琵琶の演奏を、頼朝は隠れて聞き感動した。千手前は重衡を愛しく思い、奈良の大衆の手で処刑されたと聞くと、すぐに出家して重衡の菩提を弔い、やがて極楽往生を遂げたという。
金子が解説見どころ聴きどころ!もぜひお読みください。
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構成・演出・語り:金子 あい
コントラバス・チェロ:須川 崇志
照明:磯野眞也
音響:荒木まや
アートディレクション:トクマスヒロミ
衣装・ヘアメイク:細田 ひなこ
舞台監督:穂苅 竹洋
演出助手:伊奈 山明子
古典監修:野澤 千佳子
撮影・編集:竹下 智也
録音制作・監修・編集:STUDIO Dedé
撮影:藍河 兼一
クレーン撮影:大橋 次郎(QUICKRANE)
音声収録:松下 真也(Piccolo Audio Works)
助成:Arts for the Future!
企画・制作:art unit ai+/かなえのかい
2021年10月29日 座・高円寺2において有観客ライブ収録
©️ art unit ai+