YouTube 「おうちで読もう 百人一首 35番 紀貫之」

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ひとはいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香に匂ひける

<古今集撰者はひらがながお好き> English subtitles available/日本語・英語字幕

紀貫之は歌人たちが〈神〉と仰ぐすごい人。たくさんの和歌を詠み、それらが和歌のお手本になりました。それなのに、駄ジャレ連発!? 作品タイトルまで「おうちで飲もう 百人一酒」に変えて、土佐の押鮎で一杯ですよ。そういえば、女のふりして「女手」つまり、ひらがなで書いた『土佐日記』に、押鮎とチュウしてるみたい、とあります。ひらがなのように、やわらかく軽やかに生きている感じが伝わってきますね。

寛平五年(893)ごろに催された寛平御時后宮歌合は、宇多上皇がプロデュースした晴れの歌合です。貫之はそこで和歌を発表し和歌の社交界デビューをはたします。それから30年後、延長元年(923)に「咳病(しはぶきやみ)」の再流行がありました。東洋文庫の中の一冊に『日本疾病史』という本があります。日本の正史や古記録から病気に関する記事を、症例ごとに分類して抜き出したものです。

貞観七年(865)四月、去年、天下患咳逆病、人間言、渤海客来、異土毒気之令然焉=去年、国中が〈咳逆病〉を患った。世の人々は、渤海から来た人が持ち込んだ外国のウイルス(毒気)のせいだと噂している。「三代実録」

延喜二十年(920)七月、今年春夏間、咳病、風水、仍無相撲節=今年の春から夏にかけて、〈咳病〉や風水害があったので、相撲節会が無かった。「日本紀略」

延長元年(923)正月、壬寅、請名僧十口於紫宸殿、限三箇日、臨時御読経、為攘咳病也=すぐれた僧侶十人を集めて内裏の紫宸殿で、3日間と日を限って、臨時の御読経を行った。〈咳病〉を払いのけるためである。「日本紀略」

貫之の時代も今も、歴史は繰り返します。HHK(平安放送協会)の平安ニュースまたどこかで登場させたいな。

「やまと歌は人の心を 種としてよろづの言葉とぞなれりける。(中略) 力をも入れずして、天地をうごかし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思わせ、男女の中をもやはらげ、たけきもののふの心をもなぐさむるは歌なり」 =心の種が芽を出し、生い茂って言の葉になった。…… 力を入れなくても、天の神地の神、悪さをする鬼神をも感動させ、男女の仲をむすび、無骨な武士の心をなぐさめる、それが日本の和歌だよ。BY 紀貫之(文 野澤千佳子)

★典拠  古今集仮名序 土佐日記  日本疾病史(東洋文庫 平凡社)
★使用した画像:東京国立博物館蔵 栄花物語図屏風、東京国立博物館蔵 源氏物語絵色紙帖匂兵部卿宮、奈良国立博物館蔵 草枕絵巻(上巻) 以上の出典:ColBase (https://colbase.nich.go.jp)   春日権現記絵(模本)巻第十一 出典:東京国立博物館研究情報アーカイブズ(https://webarchives.tnm.jp/)

★「おうちで読もう百人一首」シリーズは、劇場に足を運んでいただけない今、ステイホームのおともとして古典を楽しんでいただきたいと始めました。倉敷の古典の専門家・野澤千佳子が個性豊かな歌人達の面白エピソードを盛り込んで脚本を書き起こし、東京の俳優・金子あいが、毎回、和歌の作者として登場。作品の背景やこだわりを生き生きと喋り、撮影、編集、背景のデザインまで全てを自宅で作っています。そして音楽は琴奏者の大月邦弘が出雲から参加!衣装家の細田ひなこが宅配便で衣装を届けるといった具合に、まさにテレワークで作りました。ステイホームが終わってもぜひご家族で楽しんでくださいね♪ 教育現場での活用も大歓迎です。

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出演・撮影・編集・デザイン:金子あい /脚本・監修:野澤(鳥井)千佳子 /音楽:大月邦弘/英語字幕:浜本妙子/衣装協力:細田ひなこ

2020@art unit ai+

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