平家物語〜語りと弦で聴く〜滅亡の焔
「平家物語〜語りと弦で聴く〜滅亡の焔」の公演が来週に迫ってきて、エサを洗うに洗えないアライグマのようにオタオタしている金子です。今日はカラッといい天気でしたね。さて今週からワタクシ金子も、上演章段の見どころや解説をアップしていきますね!公演をご覧になる方もならない方も暇つぶしにお読みいただけたら嬉しいです。
祇園精舎
「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり…」誰もが一度は学校で暗記した(させられた?)有名な冒頭の詞章。祇園精舎はインドのお釈迦様が説法を行った寺院で、今は遺跡しかありません(ちなみにGoogle先生によると「営業時間17:00まで」だそうです)。
クイズです。
この鐘、どんな音だと思いますか?
1)ごーん
2)ちーん
3)りーん
答えはーーー
3)かな。
りーん、ていうか〜
きーん、ていうか〜
この鐘というのは、いわゆる梵鐘ではないんですね(梵鐘は中国でできたものが日本に伝わった)。精舎内にある無常堂には四隅に鐘があり、病僧が臨終の時、自然に鳴って諸行無常以下の四句を説き、病僧は苦悩を忘れて往生するといわれており、「玻璃」でできていました。「玻璃」は水晶もしくはガラスのこと。今でいうシンギングボウルのような音だったのかなと思います。私も昔はゴーンという梵鐘だと思ってました。死ぬ間際に四つの梵鐘が鳴ったらだいぶうるさいですよねぇ。全然イメージが違いました。
祇園精舎の章段では、生あるものは必ず滅する=生者必滅と盛者必衰を語ります。そして、外国の為政者の例と国内の為政者の例を挙げ、その中で最も酷かったのは平清盛であると断言します。
平家物語を読んでいると、官僚の仕組みも暴政をする為政者も、840年前と今となんら変わっていない、、、人間というものはなんと進歩がないのかと呆れます。
人間だもの。
いやいや、それじゃあいかんのではないかと、私は、永田町と霞ヶ関に向かってこの章段を語りかけております。
皆様も色々と想像しながら祇園精舎を聴いてみてください。
時代時代で、そうだよねぇ、あるあると思わせる、人間の最も人間らしいところを簡潔でありながら余すところなく描いているからこそ、平家物語は840年ベストセラーであったのかもしれません。
須川崇志さんの即興演奏がなんとも妖しく「祇園精舎」の世界へ誘います。即興演奏なので、これまでにリハーサルも本番も合わせて一度たりとも同じ演奏になったことがありません。そのスリリングな感じがたまらないのです。
俳優金子あいとジャズベーシスト須川崇志が時空を超えて表現する「平家物語」をぜひ目撃しに来てください。
平家物語~語りと弦で聴く~【滅亡の焔】公演 詳細はこちら
座・高円寺2
2021年10月28日(木)16時
29日(金)13時/18時
チケット(一般4,500円、学生<30歳以下>2,000円)
お申し込みはauaplus@gmail.comへメール
または090-1232-1363へお電話で
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